2011年8月21日日曜日

Intellijの便利な正規表現編集

Javaソースコード上で正規表現を書く場合に、Javaのエスケープと正規表現のメタ文字に対するエスケープが同じ文字(\)なので、非常に面倒に思う場面がある。

その面倒な部分をうまく解消してくれる地味だけど非常に便利な正規表現編集機能がIntellijにはあります。

使用方法

正規表現部分にカーソルを移動して、クイックフィックスから「Edit RegExp Format」を選択する。
正規表現を編集するためのエディタが新規に開かれるので、正規表現を編集する。
この時には、Java文字列に対するエスケープは考えずに書けば良い。なので、純粋に正規表現のことだけを考えればよく直感的にコーディングが出来る。
また、正規表現がすでに書かれた状態でこのエディタ(Edit RegExp Format)を選択した場合も、Javaのエスキープ文字が削除されているので、正規表現を確認するときにも使うことができる。
画面的には、こんな感じになっている。


上記画面で編集を行っていると、リアルタイムにJavaコードに正規表現が反映されていきます。編集が終わったあとは「Esc」ボタンで閉じることが出来ます。
上記画面の正規表現がJavaコードに反映されると、Javaのエスケープ文字が追加されているのがわかります。

Intellijのすごいところは、正規表現を文字列定数とかで持っていても、この文字列は正規表現であると判断してこんな感じにクイックフィックスを表示してくれることです。

ここまでの例では、すべてJDK付属の正規表現ライブラリを使用していまいしたがオープンソースや自作の正規表現ライブラリに対しても上記と同じことができます。
例えば、こんな感じのクラスのsetRegexの引数を正規表現としたい場合の例
class HogeRegex {

    public void setRegex(String regex) {
        
    }
}
Settings画面から、Language Injectionを選択します。画面的には、こんな画面が表示されます。

「+」ボタンをクリックして「Java Parameter」を選択します。
表示されるサブウィンドウに下記のように入力します。
ID:RegExpを選択
Class-Name:正規表現ライブラリのクラス名入力する。(今回の例だとHogeRegexを入力する。)
Parameters:メソッド一覧とメソッドの持つパラメータ一覧が表示されるので正規表現を引数で受け取るパラメータにチェックを入れる。
設定を終えると、JDKのライブラリを使ったときと同じようにクイックフィックスに「Edit RegExp Format」が表示されるようになります。

ちなみにPatternクラスも、Language Injectionにちゃんと登録されていたりします。




2011年8月7日日曜日

rubyのリフレクション

eval

eval関数を使うと、指定した式を評価することができる。
式を文字列として指定するので、構文エラーとなるような文字列を指定したら例外が発生する。

使用例

# 計算を実行
eval("1 + 2")        # -> 3
eval("1 * 2")        # -> 2

# 変数を使用して計算の実行
num = 100
eval("num + num")    # -> 200

# 変数に値を設定
class Hoge
  attr_accessor :id
end

# idプロパティに値を設定
hoge = Hoge.new
eval("hoge.id=100")
puts hoge.id     # -> evalで設定された100が取得される

# インスタンス変数の宣言
eval("@hogehoge = 'hoge'")
puts @hogehoge   # -> @hogehogeが参照でき、'hoge'が取得できる。

# ローカル変数の宣言
# eval内で宣言されたローカル変数のスコープは、evalの処理を抜けたら参照できない。
eval("hogehoge = 12345; puts hogehoge")    # -> ここでは、ローカル変数を参照できる。

begin
  # evalを抜けているので参照すると、未定義ですよエラーが発生する
  puts hogehoge           
rescue => e
  puts e.message
end


インスタンスに対する操作

任意のインスタンス(クラス)のインスタンス変数やクラス変数の値参照や値設定方法

# インスタンス変数の操作
object = Object.new
# nameインスタンス変数は、存在していないのでfalse
object.instance_variable_defined?(:@name)
# nameインスタンス変数に値(instance_variable)を設定
object.instance_variable_set(:@name, "instance_variable")
# instance_variable_getが返される
object.instance_variable_get(:@name)
# nameインスタンス変数が追加されたのでtrue
object.instance_variable_defined?(:@name)
# nameインスタンス変数を削除
object.instance_eval { remove_instance_variable :@name }
# nameインスタンス変数は削除されたのでfalse
object.instance_variable_defined?(:@name)

# クラス変数に値をセット(宣言されていなければ追加される。)
# nameクラス変数は存在していないのでfalse
puts Object.class_variable_defined? :@@name
# nameクラス変数に値(class_variable)を設定
Object.class_variable_set(:@@name, "class_variable")
# class_variable_getが返される
puts Object.class_variable_get(:@@name)
# nameクラス変数が追加されたのでtrue
puts Object.class_variable_defined? :@@name
# nameクラス変数を削除
Object.class_eval { remove_class_variable :@@name }
# nameクラス変数は削除されたのでfalse
puts Object.class_variable_defined? :@@name

メソッドに対する操作

メソッド一覧の参照や、メソッドの実行ができる。また、動的にインスタンスにメソッドを追加することもできたりする。

object = Object.new
# public_methodsでも同じことができる。
object.methods
# 継承したメソッドを除外(自クラスで宣言したメソッドのみが出力される。)
# trueにすると、methodsと同じ動きになる。ちなみに引数省略した場合は、true
object.public_methods false

# 他にも、private_methodsやprotected_methodsがある。

# 特異メソッドの定義(このインスタンスのみがもつメソッド)
def object.hoge
  "fuga"
end
object.hoge
object.public_methods false

# メソッド呼び出し
hoge = "hogehoge"
hoge.send(:upcase)   # upcaseメソッドの呼び出し(メソッドは、シンボルとして指定する。)


2011年7月31日日曜日

java7とIntellij

Java7がリリースされたので、Intelijへの設定のまとめ。

SDKの追加

1.Project Structureを開く(「File」→「Project Structure」)
2.左側のメニューから「SDKs」を選択する。
3.「+」ボタンからjava7をSDKとして追加する。下の画像のように「+」ボタンで出てきたメニューから「JSDK」を選択する。
    4.Select Pathのサブウィンドウが表示されるので、java7のインストールディレクトリ(JAVA_HOME)を設定する。

    java7用のモジュールを作成

    1.Dependenciesタブを選択して、モジュールで使用するJDKを1.7に変更する。

    2.Sourcesタブを選択して、Language levelを7.0に変更する。

    java7用のInspectionを使ってみる

    Autoclosableへの置換え

    java6までのリソース管理(try-finallyでのリソース解放処理)を、java7のautoclosableに置き換えるInspectionを有効にすると、Quick Fixからautoclosableへの自動置き換えが可能となる。

    【変更前のコード】
    import java.io.FileOutputStream;
    import java.io.IOException;
    
    public class Hoge {
    
        public static void main(String... args) throws IOException {
    
            FileOutputStream stream = new FileOutputStream("hoge.txt");
            try {
                stream.write(0);
            } finally {
                stream.close();
            }
        }
    }
    

    【Quick Fixの実行】
    「Replace with 'try' with resources」を実行する。

    【置き換え後のコード】
    自動で下のコードに置き換えが実行される。
    import java.io.FileOutputStream;
    import java.io.IOException;
    
    public class Hoge {
    
        public static void main(String... args) throws IOException {
    
            try (FileOutputStream stream = new FileOutputStream("hoge.txt")) {
                stream.write(0);
            }
    
        }
    }
    

    これ以外のもこんなこともできるメモ。
    http://se-bikou.blogspot.com/2011/04/intellijjdk7.html

    2011年7月2日土曜日

    rubyのメソッド引数

    rubyのメソッド引数のまとめ

    通常の引数

    通常の引数をもつメソッド。当然ながら最も多く利用されると思われる。
    def print_message message
      print "[#{message}]"
    end
    

    デフォルト値をもつ引数

    デフォルト値をもつことでクライアントコードを簡略化できる。
    javaでオーバーロードを行い、引数の多いメソッドに固定値を渡すパターンの場合この実装で代用することが可能。
    ※rubyではオーバーロードを行うことができないので、デフォルト値を持つ引数をつかって実現するほかない。
    # p2を省略するとデフォルト値の0が適用される。
    def m1 p1, p2 = 0
      p1 + p2
    end
    
    m1 1      # p2を省略した場合
    m1 1, 2   # 明示的に指定した場合
    
    # p1を省略するとデフォルト値の1が適用される。
    def m2 p1 = 1, p2
      puts p1 + p2
    end
    
    m2 1      # p1を省略した場合
    m2 1, 2   # 明示的に指定した場合
    
    # p1を省略するとデフォルト値の1が適用される。
    # p2を省略するとデフォルト値の2が適用される。
    def m3 p1 = 1, p2 = 2
      puts p1 + p2
    end
    
    m3        # p1、p2を省略した場合
    m3 1      # p1を省略した場合
    m3 1, 2   # 明示的に指定した場合
    
    # 引数は、左から設定されるのでp1を省略してp2のみ値を指定することはできない。
    

    可変引数

    # 可変長引数は、変数名の前に「*」をつける。
    def hoge(*hoge)
      hoge.each do |val|
        puts val
      end
    end
    
    hoge("1", "2", "3")
    

    名前付き引数

    名前付き引数というのかわからないけど、引数を指定する際に名前をつけることができる。
    実際には、Hashで受け渡しを行うのだけれど、RubyのHashは簡易的にインスタンス化できるので、
    あたかも引数名に値を設定するかのように実装することができる。
    def m(args)
      puts "p1 : #{args[:p1]}"
      puts "p2 : #{args[:p2]}"
    end
    
    m p1:"hoge", p2:["fuga1", "fuga2"]
    

    2011年6月26日日曜日

    ローンパターンを使用したリソース開放

    リソースのオープンとクローズを共通化して、リソースをパラメータで受け取った関数にリソースを受け渡す実装方法。
    関数にリソースを貸し出すことからローンパターンと言われるらしい。

      def main(args: Array[String]) {
        // 第二引数に、PrintWriterを受けて
        // ファイル出力を行う関数を指定する。
        writeFile(new File("test.txt"),
          writer => writeData(writer))
      }
    
      private def writeData(printWriter: PrintWriter) {
        println("wite start")
        printWriter.println("1")
        printWriter.println("2")
        printWriter.println("3")
        printWriter.println("4")
        printWriter.println("5")
        println("wite end")
      }
    
      def writeFile(file: File, write: PrintWriter => Unit) {
        // リソースを開く
        println("open file.")
        val writer = new PrintWriter(file)
        try {
          // 第二引数の関数にリソースを貸し出す。
          write(writer)
        } finally {
          // 最後にリソースを閉じる
          println("close file.")
          writer.close();
        }
      }
    

    実行結果

    ファイルオープン→書き込み→ファイルクローズの順に処理が行われていることがわかる。
    open file.
    wite start
    wite end
    close file.
    

    ucpを使用したDB接続のプール

    JDK5以降(ojdbc5.jarやojdbc6.jar)を使用してOracleとの接続をキャッシュしたい場合、
    jdbcドライバのjar意外にucp.jarなるものが必要となる。

    ucpとは、ユニバーサルコネクションプールの略で、汎用的なプール機構を提供してくれる。
    汎用的な機構なので、別にOracle専用というわけではなくMySqlやDB2などの接続をプールすることができる。
    Webコンテナが提供してくれている接続のプーリング機構を、スタンドアロンアプリからも利用出来るようにしてくれてるイメージかな。

    マニュアルはこちら→http://download.oracle.com/docs/cd/E16338_01/java.112/b56283/toc.htm
    ucpは、http://www.oracle.com/technetwork/jp/database/enterprise-edition/ucp-096353-ja.htmlからダウンロード出来る。

    ※ojdbc5.jar以降のjdbcドライバには、ojdbc4.jarで使用していた接続プール機能はすべて非推奨となっている。
    しかも、その動作すら無効かされているため、プールを有効化しても完全に無視される。

    サンプルコード

    ucpを使用した接続キャッシュはこんな感じのコードで実装できる。
    PoolDataSourceには、ステートメントキャッシュ用のプロパティなどもあるが、そのへんはマニュアルを見て適宜設定すればよいかなと。
            // プールデータソースを生成
            PoolDataSource dataSource = PoolDataSourceFactory.getPoolDataSource();
    
            // コネクションファクトリクラス名を完全修飾名で設定する。
            // Oracleの場合は、「oracle.jdbc.pool.OracleDataSource」を設定すれば良い
            dataSource.setConnectionFactoryClassName(
                    "oracle.jdbc.pool.OracleDataSource");
    
            // DB接続情報(URL、ユーザ名、パスワード)を設定する。
            dataSource.setURL("jdbc:oracle:thin:@localhost:1521:xe");
            dataSource.setUser("hoge");
            dataSource.setPassword("hoge");
            // プール情報を設定する。
            dataSource.setInitialPoolSize(5);
            dataSource.setMaxPoolSize(5);
    
            // 接続を取得する。
            // このタイミングで、PoolDataSourceによって接続がプールされる。
            Connection connection = dataSource.getConnection();
    

    サンプルコード2

    接続先のデータベースがmysqlの場合の接続例。
    ConnectionFactoryClassNameをmysqlのデータソースに変えてあげて、接続設定をmysqlように変更する。
            // プールデータソースを生成
            PoolDataSource dataSource = PoolDataSourceFactory.getPoolDataSource();
    
            // コネクションファクトリクラス名を完全修飾名で設定する。
            // 「com.mysql.jdbc.jdbc2.optional.MysqlDataSource」を設定すれば良い
            dataSource.setConnectionFactoryClassName(
                    "com.mysql.jdbc.jdbc2.optional.MysqlDataSource");
            // DB接続情報(URL、ユーザ名、パスワード)を設定する。
            dataSource.setURL("jdbc:mysql://localhost/test");
            dataSource.setUser("hoge");
            dataSource.setPassword("hoge");
            // プール情報を設定する。
            dataSource.setInitialPoolSize(5);
            dataSource.setMaxPoolSize(5);
    
            // 接続を取得する。
            // このタイミングで、PoolDataSourceによって接続がプールされる。
            Connection connection = dataSource.getConnection();
    
    

    2011年6月12日日曜日

    intellijの行ブレークポイントのあれこれ

    Intellijのブレークポイントをいじり倒してみたので、メモとして残しておく。

    英語力が全く無いので理解が間違ってる部分があるかもだけど・・・。

    ブレークポイントを置く方法

    実行ステップに対するブレークポイントは、Eclipseと同じように行番号の隣の空白列をクリックすることによっておくことができる。
    (行番号は、「menu」→「View」→「Show Line Numbers」で表示される。)

    ブレークポイントを置くと、Eclipseと同じようにブレークポイントを示すマークが表示される。









    特定のコールスタックの場合のみブレークさせる方法

    Intellijでは、ブレークポイント間で依存関係を設定できるため、特定のコールスタックの場合のみブレークさせることができるようになっている。
    privateメソッドなどで処理を抽出した場合など、複数箇所から呼び出される場合に使えるかんじになっている。
    よく目的のコールスタックまで処理をスキップしようとして再開を連打してたら、目的のとこまで再開をクリックしちゃって最初からやり直しとかあるので、結構便利な機能かなと。

    まずは、ブレークしたい行と、ブレークしたいコールスタック上にブレークポイントを置く。
    この例だと、処理を中断したいhogeメソッド(7行目)と、hogeメソッドで処理を中断したい呼び出し元(12行目)にブレークポイントをおいている。













    次にブレークポイント間での依存関係を設定する。
    依存関係の設定は、View BreakPoints(「menu」→「Run」→「View BreakPoints」)で行う。
    デフォルトでは、ブレークポイントが下記画像のようにリスト表示される。
    右側のTree Viewボタンをクリックするとクラス単位やメソッド単位にグループ化して表示することができるので、見やすくなる。



















    今回は、12行目から呼び出された場合のみ7行目を止めたいのでその設定を行う。
    設定方法は、処理を中断したい7行目のブレークポイントを選択して、下の方にある「Depends on:」で12行目のブレークポイントを設定してあげる。



















    この設定だけだと、処理を中断したくない12行目でも処理が中断されてしまうので、12行目は処理を止めないようにする。
    View BreakPointsで12行目のブレークポイントを選択してSuspend policyでNoneを選択すると12行目のブレークポイントはスルーされる。






















    静止画だと、実際にデバッグ実行した際の動きを示せないので、実行した結果は割愛。。。


    処理を停止せずに標準出力に値のみ出力する方法

    デバッグする際に標準出力に値を出力するってよくやると思うけど、これだと「System.out.println」を消し忘れたりするので、ブレークポイントでのコンソール出力機能を使って値を確認する。

    この設定も「View BreakPoints」から行うことができる。
    値を出力したい行にブレークポイントを設定し、「Log evaluated expression」から、コンソールに出力したい値を設定してあげれば良い。変数名は、補完してくれます。

    ちなみに、標準出力には常に値が出力されるのではなく、処理中断の条件と一致した場合にのみ出力されます。
















    実際に実行した結果
    例がかなり行けてないけど、設定した値がコンソールに出力されていることがわかる。これで、余計な「System.out.println」を使わなくても、標準出力で値の確認ができるようになる。
    ただIntellijの場合、「Live Template」の「sysoutv」が非常に便利なんで普通に「System.out.println」使うだろうなと。






    条件を設定して処理を中断する方法

    これも「View BreakPoints」から設定できる。
    右側の「Condition」にBooleanを返す式を書いてあげると、結果がTrueの場合のみ処理が中断される。